扉を開けたその瞬間から始まるいろんなこと...

2022/05/29

とよた森林学校 ~ 地域の森・健康診断① 押井町の森健 ~

天気は快晴、昨日以上に暑くなる予報。
朝の気温も18℃だけど、湿度が少ないので気持ちいい。
今日は、おいでんさんそん主催、とよた森林学校のイベントである「地域の森・健康診断」に参加してきました。
調査地はいつも大変お世話になってる「押井町」。
木楽会としては参加しないわけにはいかないゾってことで、会からはワタクシを含め4名が参戦しました。

今回の健康診断はいつもの森健とは違い、押井町に焦点を当てた調査と検討会の2部構成。
なので林分調査、植生調査に重きを置きつつも、地域の森林の実態や課題を見ることも重要な目的。
時間の関係もあるため、森の健康診断のプログラムを若干簡素化して実施します。
まずは会場でご挨拶と概要の説明から。
そして、豊田市の森林状況やこれまでの取り組み、今後の課題などをプレゼンで。
そしたら各班に分かれてしゅっぱ~つっ!
現場に入る前に簡単な自己紹介を行って…
最初の調査地は間伐手遅れ林。
山に入ったら項目を読み上げながら調査を進めていきま~す。
①中心木の選定、樹種の判別
②5x5mの植生調査枠を設置し、林床の落葉層による被覆率を確認
③調査枠内の低木被覆率を確認...
④調査枠内の植生として草と低木の種類数を確認。
これは枠内にある植物を採って、種類を判定し、数えるというもの…
毎回ながら、ぱぱぱっと種類を特定していく自然リーダーの方々はすごいっ!
教えてもらうと、おお~ってなるんだけど、どうも覚わらないんだよねぇ…
⑤胸高以上の樹木の被覆率と種類数を確認…
⑥混み具合調査…いわゆる林分調査で~す
今回の樹高測定は超簡易で竿の何倍かって目測。写真を撮ってないので結果だけ…

樹種:スギ、本数:19本、平均直径:27.9㎝
中心木径(Da):32.5㎝、平均木径(Db):29㎝、樹高(Hb):23.8m
林分形状比:82、平均樹間距離(A):2.3m、相対幹距(Sr):9.7

う~む、、、林分形状比は健全との判定、つまり樹形は良し。
ただ、相対幹比が9.7って、、、超~~っ混みすぎ。
1本1本は良く育ってるんだけど、めちゃギュウギュウだぜっていう判定。
元々が田畑であったため樹高が高く、日照も良好だったという可能性が高い。
…面白い。

さて、お次は天然林の見学へ。
人工林の隣が見学地なので設置しておいたロープを伝って山を登る…
自然リーダーさんの色んなお話を聞きました。
この山はおそらく薪などを調達する山で、元はコナラ・桜の林だったと思われる。
しばらく放置されたことによりアベマキに代わり、現在は耐陰性のあるシラカシが中低木を支配しつつある。
このままいくとアベマキも樹齢を迎え、耐陰性のある樹種が支配していき次第にシラカシやシイに置き換わっていく遷移の途中にある…と。
この山はわかりやす~い。
また、先ほど見た人工林は、間伐をすることで日が入るようになると、この山のシラカシなどが次第に生えていき、上層をスギに、中下層を耐陰性の木々が多う針広混交林になっていくだろう…と。
この話はハッと思った。
針葉樹と同じ高さの広葉樹なんてなりたたないやんって、針広混交林の優位性が全然理解できなかったんだけど、なるほど中下層の低木を広葉樹とすれば良いわけだっ!
そろそろお昼の時間。
普賢院(二井寺)でゆっくり休憩…他の班もお昼の休憩してたから暫しの交流。
それにしても昼寝したら気持ち良さそうな天気だぁ…
さぁて、お昼からも調査へ…
の前に、田んぼ周りで伸びたヒノキが日照に影響を与えている山を見学へ。
こういう場所は本当に多いよね。
我が「田舎で働き隊」の田んぼもそうだったしねぇ。
植えた頃は何ともなかったけど、今や樹高が高くなるにつれて「山が成長している」。
まさにそのと~り、でもねぇ林縁を皆伐したって山は低くならないから解決にならないし…
皆伐したとしても、造林どうすんねんって計画を申請せないけないシステムだし…
お次は昨年に間伐した山へ。
参加者から間伐した山を初めて見た…って意見。
針葉樹林の林床には何も生えてないのが普通だと思ってたって意見。
ふむふむ、、自分も間伐を始める前は健康な山って視点が今と180度ちゃうからねぇ。
ではでは、やっとお次の調査地へGOっ!
車を下りて山へ向かう途中も、皆さん子供の用に目をキラキラさせて植物を鑑定してる。
なんだか見てるこちらが嬉しくなってくるよ。
でも、おいらには植物の種類がワカラナイのだ!
さぁ、きょろきょろしながらもう少し。
午前と同じ要領でどんどんと調査を進めていく…
この山は、比較的新しい間伐した山。
混み具合調査で本数を径を確認したら樹高測定へ…
竿を立てて…
簡易的に竿の何本分かを目測。
メンバーで4倍?いや3.8倍?4倍以上…など、みんなで複数回測って、意見を統合。
樹種:スギ、本数:11本、平均直径:37.3㎝
中心木径(Da):33.5㎝、平均木径(Db):37.5㎝、樹高(Hb):21.3m
林分形状比:56.8、平均樹間距離(A):3.2m、相対幹距(Sr):15.0

過密の判定になるけど林分形状比はすこぶる良い数値。
もう少し抜くべきだけど、まぁ健全な状態って言えるかな。
その後は、間伐後の森林を観察。
みなさん、それにしても色んなものを見つけます。
花咲いてるよ~って
良い匂いがする木だよ~って‥
クッサい木だよ~って…
立浪草(タツナミソウ)…毛の生えている向きで色々とあるみたい
最後の見学地は地元の神社。
皆さんで下刈りし森林組合にて間伐を行ったそうです。
強間伐で明るい林内、、もとは暗~く鬱蒼としていたみたい。
立派なスギ・ヒノキも伐採されているだけど、道中の地が弱くて搬出できず林内に伐り置きされてる。
これにて今日の調査および見学会を終了。
集合場所に戻って本日の調査結果について共有と話し合い。
その後は各班代表者の意見発表を行い本日の全プログラムを終了!

今日は色々な視点で本当に沢山の話や意見を聞くことができ、とっても新鮮な刺激をいっぱい受けました。
たまにはこういったイベントに参加すると違うものも見えてくるし、自分の意見や考えとの整合を図ることもできる。
本当に有意義な時間でした。
第二回は専門家さんからの問題提起や意見交換会。
楽しみにしてま~す。

暑い中の一日、お疲れさまでした!
そしてありがとうございましたぁ!

しげ

0 件のコメント: